●自社サーバの限界とレンタルサーバのメリット
株式会社薬事日報社は、公称55,000部発行の業界紙「薬事日報」の発行を柱として、書籍の発行やWebサイトでの情報発信を手がける会社だ。同社では2003年11月よりファーストサーバを導入し、それまで自社サーバにて運用をしていたWebやメールをファーストサーバ上に移行した。2006年5月にはWebサイトをリニューアルし積極的な情報発信を展開。そのために、ファーストサーバはなくてはならないものとなっている。

2006年5月にリニューアルした薬事日報社のWebサイト。
今回は、同社企画開発局 電子メディア室の武澤一隆室長にお話を伺った。
「2003年11月に、ビジネス300を契約したのがはじまりです。それまでメールサーバもWebサーバも自前で持っていたのですが、まずメールサーバの管理がしきれなくなってきたというのがきっかけです。」(武澤氏)
同社がファーストサーバを選んだ理由のひとつに、オプションのメールウィルス駆除サービスが挙げられる。
「もちろんデスクトップ単位でウィルス対策ソフトを導入するといったことはやっていますが、それよりも社内に届く前にたたき落としておきたいわけです。ですから、しっかりとしたウィルスチェックの機能を提供しているところとでないと、契約しないと決めていました。当時のレンタルサーバというと、安いところは確かに安かったですが、継続性や安心感といったところも重視しました。」

Web担当の武澤一隆室長
ファーストサーバを導入した薬事日報社は、メールの利用だけではなく、印刷会社等とのDTPデータのやり取りなど、FTPを使った社外とのファイル共有などにも活用し始めた。そして2006年に入り「Webサーバの管理も楽にしたい」という考えから、ファーストサーバのサービスをエンタープライズシリーズにアップグレード。これに絡めてWebサイトのリニューアルも行った。

薬事日報本社
●ファーストサーバ上でCMSが稼働
薬事日報社のWebサイトは、無料ゾーンと有料ゾーンに大別される。無料ゾーンでは薬事業界のヘッドラインニュースを、そして有料ゾーンでは「薬事日報」の記事を配信しているのだが、今回はまず無料ゾーンをファーストサーバ上へ移行させた。また、それに伴い株式会社ホットリンクが構築したブログをベースとするCMSもインストールされている。
「ずっとWeb担当をやってきましたが、HTMLベースやASPベースでの配信だと、これ以上の成長は見込めないと判断しました。もっと直接的に購読者に繋がる仕組みがないかと考えていたんです。そこで、コンテンツをファーストサーバ上に移行させ、CMSを導入しました。こちらから配信するだけではなく、向こうから来てもらえるサイトにしたいという意図もありました。」
今では無料ゾーンのヘッドラインニュースはCMSから投稿され、RSSの配信も行われている。「薬事日報」という新聞の読者は地方の薬局などがメインだが、一方ではWebで収集する人が増えてきているのも事実。そういった新しいニーズを取り込むという狙いもあったようだ。
「有料ゾーンも今後はファーストサーバ上に移そうと計画しています。自社サーバはNT 4.0を使っていたのですが、サーバが止まったらどうしようと考えると、気が気ではないんです。また、記事のDBシステムなども自社で開発していたのですが、そろそろ抱えきれなくなってきた。そこで、社外にいいものがあれば有効に使いたいと考えています。
リニューアルに際してデザインをほとんど変えなかったので、はじめは気づいてもらえなかったようです。しかし気づいた人が自分のブログからトラックバックを送信するといったことが起こり始めて、リニューアル3週目のPVはリニューアル前の1.5倍という状況です。」
メールサーバから始まって、現在はCMSを使ったWebサイト構築と情報発信を手がける株式会社薬事日報社の事例は、自社サーバの管理に限界を感じている企業にとって、良いモデルケースと言えるのではないだろうか。 |